終了

本日、最終章Chap.24終了。達成感もありちょっと寂しくもありという感じ。

微分幾何の基本概念 (Springer UTMシリーズ)

微分幾何の基本概念 (Springer UTMシリーズ)

最初にも書いたんだけど、この本は、本当にお薦め出来る。特に、自分のように数学ばっかり勉強していて物理の素養の無い人に。自分の場合、物理でベクトル解析の直観を養う事無しにいきなり多様体の定義に入ってしまった。で、さっぱり分からんかった。抽象的な多様体では、接ベクトルを各点の近傍で定義された関数に実数を対応させる写像で線形性と微分の積の公式を満たすもの全体として定義する。で、この接ベクトル空間に内積を入れて、それで持って大きさだの曲がり具合だのが定義されるという風に議論が進む。なので、抽象的な多様体論の入門書だけ見ていても何でその大きさや曲がり具合の定義になるのかはさっぱり分からない。この本では、主な対象となるのがn+1次元空間に入っているn次元の曲面である。このような具体的な相手ならば、接ベクトルや曲がり具合なり体積なりは、微分積分が分かっていれば非常に素直に導出出来る。で、そういった量の性質を調べてみたり公式を導いたりしてみて最後に、実は考えている曲面の外側を考えなくても、接ベクトル空間の中の内積だけでこれだけのことが言えちゃっているよね、と、抽象的なストーリーとは逆の展開なので、最初にも述べた通り抽象的な多様体論のストーリーで具体的イメージが掴めずモヤモヤしている人にお薦め。